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「それでもボクはやってない」
「金融腐敗列島」(2000年)で、銀行マンの役所広司が弁護士を演じるもたいまさこに助けられていましたが、今回はその逆ですね。

逆といえば、法廷シーンで、被告人席と検察官の席が左右逆になっています。
周防監督は何か意図するところがあったのだろうか。被告になるべきは、日本の刑事裁判制度だ、とでも言いたかったのだろうか・・・。
見終わった後からずっと、考えています。

折しも司法制度改革で、刑事司法制度に国民の視線が集まっています。
そんな中に登場したこの映画は、問題をすべて集約している。裁判になる前、捜査の段階からです。

これまで日本ではなかなか観られなかった本格的な法廷ドラマとして、今後も語り継がれていく秀逸な作品だと思いました。

法律に詳しくなくても、セリフの中でさりげなく説明していますので、問題ないでしょう。

周防監督の記者会見
憲法(新聞記事)
(問題文/07年1月4日付け朝日新聞6面記事より作成)
 A市は、企業を誘致して雇用を創出し、人口減少に歯止めをかけようと考え、「市長が認定する特定の企業について、その法人税を10年間、市が負担することができる」という趣旨の条例を制定した。
 この条例に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。
↓答案へ
『沖縄悲遇の作戦 異端の参謀八原博通』(稲垣武・著、光人社NF文庫)+α
高級参謀−−。実戦に参加しないが、戦略を練る。
現代の会社組織に喩えれば、営業企画部長みたいな職責か。

沖縄県民3分の1もの犠牲者を出した沖縄戦の「悲遇」、
その「作戦」を高級参謀として担った旧陸軍の八原博通大佐。
米国留学を経たエリート高級参謀だ。
その大佐の視点に立ち、実に綿密な取材を元に、沖縄戦を
つまびらかにした良書だ。

その点、大田元沖縄県知事ら数多「住民の悲遇」の視点で
書かれた沖縄戦関連の書物とは、大きく趣を異にしている。

負け戦必至とされた沖縄戦で、いかに八原大佐は呻吟し、
時に大本営や牛島司令官に反駁してまで、犠牲者を少な
くすべく、自らの戦略実行に努めたか。
本書は、それを「大局的には正しい戦略」と定義し、敵の
米軍から評価されるものであったと述べ、戦局をリアルに
時系列で迫る。

上意下達の大組織で「異端」と筆者が書名で定義づける
点においては、そのとおり、人物描写に成功している。
旧海軍の井上成美中将(阿川弘之の著にある)とも符合
する軍人という印象すら受ける。

しかし、その結果はどうか。
我々が多々聞かされてきた「集団自決」は必ずしも強制
されたものではなかった、あるいは、ひめゆり学徒隊の
悲運も見方によって変わる、というような軍よりの記述
には、敏感に反応する読者も多かろう。

本書は昭和59年新潮社刊(単行本)と奥付にあり、当時、
結構、売れたらしいが、本書筆者と同じ元新聞記者が、同じ
テーマで著した本が、同じ光人社NF文庫から刊行されている。
『沖縄に死す 第32軍司令官牛島満の生涯』
(小松茂朗著/単行本は平成元年刊)だ。

思うに、読者は、両書を比較しつつ読むべきかもしれない。

書名のとおり、旧陸軍沖縄軍司令官牛島中将の生涯を
美的に語るが、他方で、前書とは異なり、
八原大佐は「頑固な高級参謀」と位置づけられ、
挙げ句にはその戦略の過程によって住民を多く巻きこんだ、
などと記述されているからだ。

前書にはない、地元民や負傷兵の体験を把握して書き進め
られている点には、充溢な筆力を感じさせられるが、
この手の伝聞証拠、戦後育ちの読者から見れば、
自由心証主義に徹しきれないのではないかと思われる。

しかしなぜ、あんなにも多くの不幸が舞い落ちてきたのか。
こうした戦記戦史物を読むたびに思うのだが、
やはり、戦争はしてはいけない、&兵隊は人命を守れ、と。

そういう観点で、両書をつまびらかに比較して読むと、
個人的には、やはり、牛島中将が苦悶の自決をされる前に、
最後まで戦えなどと遺言しないで、降参を進言していたなら、
あれほどの不幸の山積はなかったのではないか。
頑固な八原中将の南進撤退策がなければ、多くの一般市民
を救えたのではないか・・・。

などと思うこと仕切りだ。
歴史で「たられば」は語れないとしても、だ。

八原博通(やはら・ひろみち、Wiki)
沖縄戦(Wiki)
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